
急性扁桃炎、急性咽頭炎、急性喉頭炎はのどの急性炎症です。
のどのどこに炎症があるかで病名が変わります。
急性扁桃炎は口を開けたときにみることができる口蓋扁桃、鼻の奥、のどの上の方の上咽頭にある咽頭扁桃、舌の根元にある舌扁桃などの扁桃に炎症が起こり、熱が出たり、のどが痛くなったり赤くなったり腫れたりしている状態です。
扁桃炎が重症化すると扁桃の周りに膿がたまる扁桃周囲膿瘍という状態になることがあります。
急性咽頭炎は扁桃以外、喉頭以外ののどの炎症です。
咽頭は場所によって上咽頭・中咽頭・下咽頭と呼ばれています。
急性喉頭炎はのどの声を出す部分(声帯)とその周囲の部分の炎症です。
口を開けていただいてのどを観察したり、口から見えない部分は内視鏡で観察したりして、どの部分に炎症があるかを判断します。
のどの急性炎症は細菌感染、ウィルス感染が原因として多いです。
喉頭の炎症では声の使い過ぎも原因になります。
細菌感染が原因と思われる場合には抗菌薬を使用します。
ウィルス感染が原因と思われる場合には抗菌薬は効果がありませんので、解熱鎮痛薬やトローチなどを処方して熱や痛みの症状をやわらげる治療が中心となります。ネブライザーも症状の軽減に効果があります。
声がかすれていて声帯があれている場合にはしゃべる回数を減らしてのどを休めることが大切です。
よく休養をとり、のどが痛い中で食べやすいものを食べて栄養をとることも大切です。
のどの慢性炎症には喫煙、飲酒などが影響します。
胃酸の逆流ものどの炎症の原因になります。
声の使い過ぎや疲れなども影響します。
うがいや歯磨きを行ってお口の中を清潔に保つようにし、水分をこまめにとってのどを乾燥を防ぎます。
就寝時のマスク着用も乾燥予防に役立ちます。
声帯があれている場合にはできるだけしゃべらないようにしてのどを休めることが大切です。
のどの炎症を抑えるお薬やうがい薬、トローチを処方したり、ネブライザーを使用したりすることもありますが、のどの慢性炎症の改善には毎日のケアが大切です。喫煙や飲酒を控え、過労やストレスを避けるなど生活習慣を見直すことも大切です。
声帯ポリープは声を出す声帯にできる良性の病変です。
片方の声帯にできることが多いです。
主な症状は声がすれです。
声帯結節は声帯の真ん中あたりに小さな瘤ができる良性の病変です。
両側の声帯の同じ場所にできることが多いです。
主な症状は声がすれです。
普段の会話は問題できても、歌を歌うと高い声がでなかったり、声が長く続かないなどの症状が出ることがあります。
仕事や趣味で声を出す機会が多い方がなりやすいです。
また、お子様にもできることがあります。
声をよく使っている場合には声を出す回数をできるだけ減らすようにします。
声の出し方も影響しますので大きな声は避け、できるだけ静かな場所で柔らかく話すようにします。
マスクの着用と水分摂取でのどの乾燥を防ぎます。
喫煙や飲酒は控えます。
お子様の場合には変声期を過ぎると自然になおる場合も多く、様子をみることがあります。
ポリープ様声帯は声帯全体が柔らかく腫れている状態です。
両側の声帯がそうなっていることが多いです。
中高年に多いとされており、喫煙や声の使い過ぎ、胃酸の逆流などの慢性炎症が影響しているといわれています。
症状はガラガラ声です。
片側の声帯の後ろの方に白い瘤のようなものができます。
慢性炎症が原因とされています。
胃酸の逆流や咳払いも影響するといわれています。
のどの違和感が主な症状です。
のどにできる悪性のできものです。
症状としてのどの違和感、声がすれ、のどの痛み、のどの腫れなどがあります。
これらの症状はがん以外の病気でもよくみられるため、症状だけではがんと他の病気との区別はつきません。
多くの場合は内視鏡でのどを観察したときにみつかります。
のどに気になる症状がある場合にはぜひ受診してください。
診断には組織を取って調べる必要があります。